◆ラ行
ラピスラズリ(Lazurite):青金石
【鉱物Data】
成分:(Na,Ca)8(Al,Si)12O24(S,SO4)
硬度:5.0〜5.5
色:コバルトブルー、ロイヤルブルー
特徴:
「青い石」という意味のペルシャ語、「lazur」に由来するラピスラズリの名は混合物の通称です。
鉱物としては青金石(英名はLazurite)と呼ぶのが正しく、金色や白いところを除いた深みのあるコバルトブルーに彩られている部分を指します。
金色の部分はパイライト(黄鉄鉱)、白い筋状の模様はカルサイト(方解石)か長石、あるいは別の鉱物の場合があります。
特殊な条件のもとで生まれるため、アフガニスタンをはじめ、ロシア、アメリカ、チリなど、限られた地域でしか採掘されません。
中でも、アフガニスタンのバダフシャン地方で採れたものは最高品質(宝石としてはインクルージョンが少なく、色の濃いものが上質とされています)を誇ると言われています。
古代のメソポタミア文明やエジプト文明では「支配者の石」として王族の装飾品や神事に使われていたとされるラピスラズリは、日本でも歴史は古く、正倉院の宝物にラピスラズリが使われたものが見られるそうです。
【パワーストーンのおとぎ話】
しばしば、「万能と幸運のパワーストーン」「パワーストーンの王様」と紹介されるように、代表的な幸運のお守りとして知られています。
日本における初期のパワーストーンブームの時期に喧伝された商業的なコピーですが、この石の本質を表している一面もあります。
ラピスラズリはいわば、自分の内面に存在するスピリチュアルな王国を統治する支配者(王様)です。
冷たいディープブルーの闇を抜けて金色の知恵に到達するスピリチュアルな力、真実を見きわめる力がラピスラズリのエッセンス(本質)と言えます。
否定的な内容、肯定的な内容にかかわらず、他人からの言葉や態度、周囲に影響されて自分を見失ってしまうことがありますが、、メンタル(精神体)の中に蓄積されていく、そんな不必要なエネルギーを洗い流し、真実の自分を見いださせてくれます。
主なキーワード:内面のコントロール(支配)、直観、スピリチュアルな浄化、真実
ラリマー(Larimar)
【鉱物Data】
成分:Ca2NaSi3O8
硬度:4.0〜5.5
色:ライトブルー
特徴:
晴れた日の青空みたいに開放的な気分にさせてくれる爽快なスカイブルーを発色するラリマーは、唯一、ドミニカ共和国でしか採れません。
ペクトライトと呼ばれる鉱物の一種です。
ペクトライトの日本名はナトリウムとカルシウムを主成分とする曹灰針石と言い、鉄やマンガンが含まれていることがあります。
市場においてはタンブル磨きや母岩となる玄武岩をともなうスライス状の結晶がポピュラーなタイプです。
【パワーストーンのおとぎ話】
ラリマーを彩る明るいブルーは、開放的な気分にさせてくれる夏の青空のように、心を解き放ちます。
そのエネルギーは可能性を狭めている偏狭な考えや固定観念から解放し、私たちの意識を拡げさせてくれます。
豊かさや愛、あるいは気づきなど、求めているもの、必要なものを受け取るための準備であり、タンスの中にしまい込んだ古い衣服を捨て、現在の自分にふさわしく、新しい衣服を収めるスペースを創り出す作業です。
また、穏やかなブルーは安らぎ、リラクゼーションをもたらします。
お腹の中にいる赤ちゃんを「手放す」と考えれば、出産のお守りとしてこれほど適した石はないでしょう。
主なキーワード:手放す、解放、受容、リラックス
ルチルクォーツ(Rutilquartz):針入り水晶
【鉱物Data】
成分:SiO2+TiO2
硬度:7.0
色:無色透明、スモーキーブラウン※ルチル:ゴールド、オレンジ、レッド
特徴:
ゴールドの輝きを見せるルチル(金紅石)の針状結晶を包有した水晶を、ルチルクォーツ(針入り水晶)と言います。
酸化チタンから成るルチルがインクルージョン(内包物)として結晶内部に見られる水晶(スモーキークォーツの場合も)です。
ルチルの針入り水晶に対して、角閃石や電気石(トルマリン)など細い髪のような結晶が包有されたものは草入り水晶の名前で呼ばれていました。
水晶がそうであるようにルチルクォーツも世界各地で見つかりますが、最も多く流通しているのはブラジル産です。
ルビーやサファイアにルチルが内包されていることがありますが、スターやキャッツアイと呼ばれる光の特殊効果を生む要因となっています。
【パワーストーンのおとぎ話】
稲穂のような黄金色に輝くルチルの針状結晶はヴィーナスヘアとも形容され、ゴールドの輝きを見せるそのバイブレーションは、高次の領域、宇宙からもたらされる“黄金の知恵”です。
何かを示唆するガイダンスかもしれませんし、もっとはっきりとしたメッセージ、あるいは感情レベルで意欲をわき上がらせてくれるエネルギーかもしれませんが、ルチルクォーツは目に見えないその恩恵を日常に活かすためのインターフェイスと言っても良いでしょう。
このまぶしいほど明晰な金色の光は、曇った視界を明るく照らすように視野を広げ、洞察力を高め、新たな展望と真っ直ぐで高潔な心が芽吹かせてくれます。
それはうつ状態にある人を現実の世界へと導く光でもあり、不安や心配、締めつけられたり抑えられたりしている感情を自由にしてくれる覚醒の光でもあります。
主なキーワード:明晰な視界、高潔さ、洞察力、知恵、覚醒
ルビー(Ruby):鋼玉石(コランダム)
【鉱物Data】
成分:Al2O3
硬度:9.0
色:レッド
特徴:
主要な宝石の一つとして知られる赤いルビーは、やはり名の知れた宝石であるサファイアと同じコランダム(鋼玉石)という鉱物です。
宝石としては真っ赤なコランダムがルビー、ブルーはもちろん、ピンク、イエロー、グリーンなど、それ以外の色はすべてサファイアと区別されています。
ただし、紛らわしいことに鉱物的には真っ赤でなくとも赤系はルビー、青系はサファイア、その他の色はコランダムと定義されます。
酸化アルミニウムから成るコランダムはダイヤモンドの次に硬い鉱物グループです。
昔は研磨剤として利用されていたほどで、母岩が風化してもルビーは影響を受けずに、砂や砂利の中に転がっていると言います。
しばしば炎や血の色に例えられる深紅の赤は、金属元素のクロムによるものです。
微細な針状のルチル結晶を包有したルビーはスター効果が見られることから、スタールビーと呼ばれ、安価に流通している「ロックルビー」は不透明な丸い平板状に結晶した赤系のコランダム(主にインド産)を指します。
ルビーとサファイアのいずれも主要な産地はミャンマーとスリランカになります。
【パワーストーンのおとぎ話】
インドやヨーロッパでは昔からこの真っ赤な色が生きる活力、あるいは愛と情熱を象徴すると考えられていました。
また、古代エジプトや古代ローマの支配者は、富と繁栄をもたらす石として装飾品などに好んで用いていたそうです。
赤いルビーは、あらゆるレベルのエネルギーを活性化させてくれる石です。
活力を授け、力を揺り動かし駆り立てるような情熱をもたらしてくれますが、無制限に暴走しまうことのないよう“ハートに働きかける愛”も備えています。
動きを生む赤色のエッセンス(本質)は否定的な要素が停滞することを防ぎ、エネルギーレベルにおける循環と浄化を促します。
不透明なロックルビーも同様に働き、ハートで行き詰まった激しい感情を解放することによって再び動き出す力を授けてくれます。
それらはすべて、目標を達成するための原動力となるエネルギー、「富と繁栄をもたらす」との言い伝えはここに由来しているのかもしれません。
主なキーワード:循環、活性化、愛と情熱、内なる炎、生命力
レッドベリル(Redberil)
【鉱物Data】
成分:Be3Al2
硬度:7.5〜8.0
色:パープリッシュレッド、パープリッシュピンク
特徴:
レッドベリルは、エメラルドやアクアマリンと同じベリル(緑柱石)ファミリーに属する鉱物です。
20世紀初めに発見されました。
いくつか別の産地も存在するようですが、わずかながらも宝石質の結晶が産出するのは唯一、アメリカ・ユタ州の鉱山(ワーワー山地)になります。
レッドベリルの結晶は小さなものばかりで、採掘量自体も少ないことから、カットされたルース(裸石)などは非常に高価です。
ラズベリーピンク(レッド)の色合いから「ラズベリル」とも呼ばれ、当初、アメリカの宝石業界は「レッドエメラルド」という商品名で売り出そうとしたようです。
そのせいか、あまり知られていませんが、正式には「ビクスバイト(bixbite)」という鉱物名が与えられています。
【パワーストーンのおとぎ話】
同じベリルファミリーの代表とも言えるエメラルドが宝石の女王だとすれば、レッドベリルは一番末っ子のプリンセスに例えることができます。
高貴さと落ち着き、さらには妖艶さを備えた深みのあるグリーンに彩られたエメラルドに対して、平和を愛する慎ましやかなピンクをベースに赤紫の要素が加わって、小悪魔的な艶やかさと華やかさを身にまとったお姫様がレッドベリルです。
目に見えない微細な領域、サイキックなレベル、あるいは霊的な次元へと導く強力なカリスマ性を備えているのはエメラルドの方かもしれませんが、レッドベリルもただのお姫様ではありません。
その芯の部分には思慮深さと英知を内包した繊細な輝きが、雌伏の時を待って身を潜めています。
主なキーワード:雌伏の輝き、思慮深さ、英知
レピドライト(Lepidolite):リチア雲母
【鉱物Data】
成分:K(Li,Al)3(Si,Al)4O10(OH,F)2
硬度:2.5〜3.0
色:ピンク、ピンクバイオレット
特徴:
リチア雲母やリシア雲母とも呼ばれ、リチウムを多く含む鉱物です。鱗状に結晶するせいか、ギリシア語の「lepidos(鱗)」が語源で日本名も鱗雲母と名付けられました。
ピンクバイオレットの表面に現れるシルク地の柔らかさを持った真珠光沢と、硬度が低く軟らかくてもろいところが特徴です。
含まれている成分によって白雲母や黒雲母、マグネシウムを多く含む金雲母などに分類され、白雲母はクォーツやロードクロサイトインカローズなどと共生していることも多く、非常にポピュラーな鉱物グループと言えます。
雲母(マイカ)グループに属する鉱物はケイ酸塩鉱物の一種です。
アクアマリンに代表されるベリルやトパーズと同様に、トルマリンは雲母と同じ鉱床で採れることが多く、トルマリンと共生したコンビネーション結晶は、市場でもよく見かけられます。
【パワーストーンのおとぎ話】
レピドライトが発するピンクの光は愛を象徴し、ハート(感情)に関連づけられます。
「千枚はがし」と言われる雲母(マイカ)の鉱物グループに分類されるレピドライトは、何枚でも薄くはがすことのできる興味深い結晶構造をしています。
エネルギーレベルにおいてもその鉱物的特徴と同じように、分厚い感情の層を一枚ずつ引きはがしながら問題の根源にたどり着き、傷を癒してくれるところが特徴です。
感情的な痛みを抱えている部分に強く働きかけるそのエネルギーは、同時に、精神、マインドをつかさどる紫色のバイブレーションを備えていることから、理性と感情の調和を図るために役立つクリスタルと言えます。
物質的にも、精神安定剤の原料となるリチウムが多く含まれていることは決して偶然ではないでしょう。
主なキーワード:ハート、理性と感情の調和、記憶の層、痛み
■レピドライト&フロゴバイト
レピドライトがハートを癒す光ならば、ゴールド(イエロー)に輝くフロゴバイトは暖かな太陽のエネルギーです。
身体の中心にもたらされた深いリラクゼーションの感覚はハートへと流れ込み、自信と強さを植え付けてくれるバイブレーション、それがレピドライト&フロゴバイトのエッセンス(本質)と言えます。
自分の価値を認められず、外部の世界または他人に対してうまく心を開くことができないと感じているならば、レピドライト&フロゴバイトに助けを求めてみてください。
痛みをともなうワークとなるかもしれませんが、それを邪魔していたブロックが取り除かれるはずです。
主なキーワード:感情の痛み、自信と強さ、深いリラクゼーション、太陽神経叢からハートにつながる流れ
■レピドライト&トルマリン(トルマリン&マイカ)
ライラックピンクまたは淡いバイオレットに彩られたレピドライトに対して、あらゆる色彩を持つトルマリンです。
ピンク色のエネルギーがテーマとするハートに働きかけ、信頼と保護、緊張からの解放をもたらしてくれるレピドライトに対して、一方のトルマリンはそれぞれの色に備わる属性とともに、加速とバランス調整の性質を備えています。
硬度の軟らかいレピドライトに比べて硬いトルマリンの結晶は、ハートの痛みを緩和させる光の奔流を受け止めて蓄える強固なダムのようなものかもしれません。
主なキーワード:ハート、信頼、保護、緊張からの解放
ローズクォーツ(Rosequartz):紅水晶
【鉱物Data】
成分:SiO2
硬度:7.0
色:ローズピンク
特徴:
ローズクォーツは紅水晶と呼ばれるように、バラ色に染まった石英(水晶)です。
他のクォーツファミリーと同様に世界各地で産出しますが、結晶しにくい性質のローズクォーツは、大半が塊状で見つかります。
丸玉やカボションなど特定の形状に磨かれた時、6条の光が作る星の形を示すスター効果が現れるケースが多く見受けられます。
この光の特殊効果は、規則的な針状のインクルージョン(内包物)が含まれているか、鉱物そのものが針状結晶の場合に、光が屈折することで起こる現象です。
【パワーストーンのおとぎ話】
ローズクォーツは愛の石と言えます。
女性的な淡いピンクの色合いが物語っているように、どれだけ攻撃しようとも、やさしく受け止めてくれそうな愛の光です。
愛と一口に言っても、それは恋愛だけを意味する言葉ではありません。
自分を愛することから始まり、恋人はもちろん、家族や友人、そして他人すべてにいたる愛です。
ローズクォーツはいわば愛のマスター、あらゆる愛のレッスンをしてくれます。
ハートを開き、与えること、受け取ることを教えてくれる大切な石です。
自分の価値を認め、何であれ信頼して受け容れることによって、余すことなくギフトを受け取ることを、ローズクォーツは学ばせてくれるでしょう。
主なキーワード:自己愛、受容と開放、ハート
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