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アーサー王伝説とソブランティエッセンス

「人の上に立つ人はそれにふさわしい能力が自分にあると思っただけでは、その地位に昇ることはできません。すべての人の幸福のために王座に座り、万民のために奉仕しようとの考えにのっとってこれらのエッセンスを使ってほしい」(サイモン&スー・リリー)


ソブランティの一年周期と12星座

■■■ソブランティエッセンス

ソブランティエッセンスは、鉱物や花、植物、特定の季節や場所のエネルギーが含まれたコンポジット(複合)タイプにカテゴライズされます。

ケルトの祝日である四季支払い日と四季の節目の間にあたる日(冬至12月20/21日、夏至6月20/21日、春分3月20/21日、秋分9月22/23日)の8つに一年を区分した暦の力が込められた8種類のエッセンスは、9つの顔を持つとされるケルト神話の女神に象徴されます。

なお、9つ目の顔は、「アーガンティ」、「保護者」、「創始者」、「古代の伝統を守り伝える者」、「湖の貴婦人」などの名で呼ばれ、その他の女神のに潜在的に含まれています。

そして、その女神とはイギリスのケルト文化圏における共通イメージとしての元型(アーキタイプ)であり、大地の女神あるいは地母神(アースゴッデス)に集約されます。

「ソブランティ(sovereinty)」という単語は主権または統治権と直訳することができます。

その土地を支配するための権利を授けてくれる存在が大地に根付いた女神であり、王(支配者)として君臨するためには大地の女神の祝福を受けなければなりません。

つまり、大地や自然のサイクル(ソブランティの暦のような時季のエネルギー)とつながることで、根元的な力を得ることができるという考え方です。

その考え方は、女神との婚姻、あるいは代償を伴うような何らかの契約を結ぶという形で、世界中の数多くの神話の中で語り継がれてきました。

さらに言えば、そうしたストーリーの中では契約が果たされなかった場合、支配者の座を失うという結末が待っています。

昔の人たちはこのようにして自然との結びつきを自覚し、大切にしていましたが、私たち現代人の多くは、時が経つにつれてそうした真理、神性を忘れ、自然と切り離された生活を送ってきました。

それは科学や文明の発展に比例しているかもしれません。

だからこそ、人が自然とのつながりを取り戻し、個人が安定した基盤を築き、世界との調和を果たすことが、ソブランティエッセンスのテーマです。

8種類のソブランティの各エッセンスが象徴する女神の顔は、アーサー王伝説に登場する女性たちのイメージが重ねられています。

また、このシリーズには同様にアーサー王の物語で主要な役割を担っている魔術師マーリンの名前が付けられたエッセンスと、アースゴッデス(地母神)のエッセンスの2種類が加えられています。

いずれも各エッセンスのエネルギーを象徴的に表すものですから、以下にそれぞれの登場人物の特徴と関連をまとめました。

アーサー王の物語についてはいまさら説明するまでもないほどよく知られているストーリーですが、簡単に紹介します。

起源は7世紀初めにあるとされ、ウェールズのジェフリー・オブ・モンマスがアーサー王の生涯をまとめた『ブリテン列王伝』(12世紀)、トマス・マロリーの『アーサー王の死』(15世紀)が有名。

内容はアーサー王とその配下である12人の円卓の騎士にまつわる中世の騎士道物語です。

近代に入っても数多くの作品が著され、同じ登場人物でも役割が違っているなど、細かい部分では著者によって異なるストーリーが描かれていますが、魔術師(魔法使い)マーリンに支えられながら偉大な王に成長したアーサーが不義の子モルドレッドに致命傷を負わされ、黄泉の国とも言えるアヴァロン島へと小舟で旅立っていくまでの大筋は変わりません。

円卓の騎士たちが主役となったサイドストーリーも数多く展開され、イギリスで非常に人気の高い魔術師マーリンが中心となる話もあります。

ソブランティエッセンスを理解し、楽しむために参考としていただければ幸いです。


アーサー王

1.【サムハインのソブランティエッセンス】

カトリックの諸聖人をたたえるキリスト教の祭事ハロウィンの起源はサムハインだと言われています。

秋分と冬至のちょうど中間にあたるサムハイン(10月31日)の時季、キリスト教が伝わる以前のアイルランドやスコットランド、ウェールズの人たちは、収穫を終え、その自然の恵みに対する感謝の気持ちを込めて祝いました。

サムハインはケルト文化圏における古代の祭りであると同時に、夏季の終わりと一年の下半期の始まりを告げるセレモニーだったのです。

アーサー王の異父姉モルガン・ル・フェが、サムハインのソブランティを象徴する女神。

二人の姉妹が存在し、一人はエレインと言ってそれほど重要な役割を与えられていませんが、もう一人のモルゴースは修道院で修行した巫女であると同時に、魔術を身に付けた魔女です。

モルガンとは名前が似ていることもあり、同一人物として描かれている場合もあります。

姉妹の父親は母親であるイグレーンを奪ったユーサー王であり、ユーサー王とイグレーンとの間に生まれたアーサーでした。

異父弟とはいえ、実の父親を奪ったかたきの息子であるアーサーを憎むのも無理はありません。

モルゴースはアーサー王との間に不義の子モードレッドをもうけますが、モルガンと同様にさまざまな手を使ってアーサーに復讐しようとします。

物語の終幕、モードレッドによって致命傷を負わされたアーサー王が聖なる島アヴァロンへと旅立っていこうする時に、彼を迎えに現れる湖の乙女と呼ばれる妖精でもあるモルガンは、作品によって多くの異なる顔を持つひときわ神秘的なキャラクターです。

サムハインのソブランティに含まれているスピンドルの木は真の理解と保護をもたらし、ウラムラサキのキノコはグラウンディング(根付き)の助けとなります。

また、スイートメイスの花は大地から受け取り大地へと返すエネルギーの流れを明瞭に理解し、その源からもたらされる力を自分のものとして存分に利用するために役立つエネルギーです。

そして、マンドレークのシャーマニックパワープラントはすべての変化を強く促します。

2.【冬至のソブランティエッセンス】

日が短く一年で最も太陽が南に傾くこの時季は、冬至のソブランティエッセンスが力を発揮してくれます。

外側の世界に向かう光は内なる輝きとなって、奥深い内面を照らしてクリアなスペースを創り出してくれます。そしてそこには、新たな次のサイクルを迎えるために必要なエネルギーが蓄えられていくことになります。

その「内なる輝き」を思い出させてくれるのが、冬至のソブランティのエネルギーを示す女神ラグネルです。

冬至のソブランティを象徴する女神はラグネルです。

アーサー王の甥にあたり、ランスロットと並び立つ実力を持った円卓の騎士ガウェインの妻となる女性で、「ガウェインの結婚」という物語に登場します。

ガウェインはアーサー王に最も忠実な円卓の騎士でほかに「ガウェインと緑の騎士」という物語の主人公ともなっている人物ですが、人気の高いランスロットの敵役として描かれることが多く、本編ではあまり良い扱いを受けていません。

そうした不遇なキャラクターではありますが、「ガウェインの結婚」ではその魅力が存分に示されています。

物語は、邪悪な黒騎士に自分の領地を奪われた一人の乙女の訴えを受けたアーサー王が討伐に向かいますが、その魔法の力によりあっけなく囚われの身になってしまうところから始まります。

ここで命乞いをするアーサー王に対して黒騎士は、謎かけを出して一年の猶予を与えます。

「すべての婦人が最も望むものは何か?」

黒騎士の城から解放されたアーサー王は、誰彼かまわず女性に望みが何かと尋ねますが、納得のできる答えは見つかりません。

次第に期限がせまってきますが、依然として答えは見つけだせないまま。

そんな時、アーサー王は暗い森の中で一人の醜い老婆と出会います。

その老婆は謎を解いてあげる代わりに、若く健康で立派な騎士を夫として与えてほしいと言いました。

老婆の望みをかなえることを約束して答えを聞き出したアーサー王は、試練を乗り越えて無事に帰還を果たしました。

謎かけの正解を聞いて黒騎士は答えを教えたのは自分の妹だということに気づき、悔しがりますが、一方のアーサー王も手放しで喜ぶことができません。

忠義に厚い騎士ガウェインは、醜い老婆との約束を果たそうと悩むアーサー王を見かねて自ら進んで婿となることを申し出ます。

黒騎士の妹である醜い老婆の名前、それがラグネルです。

盛大な結婚式を挙げたガウェインと醜い老婆のラグネル。

ガウェインにとっては問題の新婚初夜です。

寝室で自分のことを見ようともしない夫に花嫁は、なぜかと問いかけます。

誠実なガウェインは、正直に「あなたは自分より年老いていて、醜いからだ」と告げますが、花嫁は「年老いているのは思慮深く知恵に恵まれているということ」であり、「醜くければほかの男が言い寄る心配をせずにすむということ」で、どちらも悪いことではないと反論します。

思いがけず聡明な言葉を聞いて花嫁を見ると、そこには輝くばかりに美しい乙女がいました。

驚きを隠せないガウェインが花嫁に聞くと、呪いをかけられていたが「立派な騎士を夫にする」という条件がかなったので、今、魔法が解けたと言います。

ただし、魔法を解くカギはもう一つあって、それがかなわないうちは、本当の姿でいられる時間は一日のうちの半分だけなので、昼と夜のどちらにするかあなたに選んでほしいと頼まれました。

美しい姿は二人きりの夜にして独占したいと答えるガウェインでしたが、ラグネルは昼が良いと主張します。

すると、花嫁の気持ちを尊重してガウェインが「好きにしていい」と言った途端、満面の笑みを浮かべたラグネルは、たった今すべての呪いが解かれたと告げました。

呪いを解くために必要なもう一つの鍵は、黒騎士が出した謎かけの答えは同じだったのです。

年齢も身分も全く違うすべての女性が望むこと、それは、美貌でも健康でもなく、富でもなく、「自分の意志を持つこと」でした。

中世ヨーロッパの封建社会に生きる女性たちの本音とも言えますが、現代においても本質的にはそう変わらないのかもしれません。

冬至のソブランティに含まれているのは、ホリー、アイビー、ユー、ビブルヌムの木と、パンジーの花、マンドレークのシャーマニックパワープラント。

ガウェインとラグネルのエピソードが示すように、表面的な美しさではなく、内面からにじみ出る輝きの素晴らしさを学ばせてくれるのが冬至のソブランティエッセンスですが、もう一つ大きなテーマがあります。

それは「試練の克服」です。

ガウェインにしても、魔法をかけられていたラグネルにしても困難な状況をチャンスに変えて、望ましい未来を得ました。

ホリーのツリースピリットはまさにそれがテーマであり、アイビーは自分の進むべき道を前向きに歩んで行くためのサポート、ビブルヌムとユーは安心と保護をもたらします。

そして、パンジーは精神のレベルで助けとなり、マンドレークがさらに繊細な次元に結び付けてくれます。


ガウェインと緑の騎士

3.【インボルクのソブランティエッセンス】

インボルクの時季、冬至と春分の中間に位置する2月1日は、アイルランドにおいては「聖ブリジットの祝日」と定められた聖なる日です。

豊かな実りを得るために胸の中に芽生えた種をどのように育んでいけばいいのか、温めてきた夢を現実に投影するためにはどうしたら良いのか、問いかけるように、火の女神ブリジットに祈りをささげます。

インボルクのエネルギーを象徴するソブランティの女神はディンドレーン。

ディンドレーンは、アーサー王の物語に登場する円卓の騎士の一人、パーシヴァル(パルジファル)の妹(姉)にあたります。

聖杯探求の役割を務める重要なキャラクターとして知られるパーシヴァルは、「パルジファル」という題名でドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーのオペラでも取り上げられていますが、作品の内容とパーシヴァルその人については春分のソブランティに関連して後述します。

数多くのストーリーが存在する聖杯探求の物語において、ディンドレーンは名前を与えられていないこともありますが、重要な役割を担う人物として登場するエピソードもあります。

兄(弟)のパーシヴァルとともに、ガラハッド、ボールスを加えた3人は、“聖杯探求の三騎士”と並び称されるキャラクターです。

聖杯を探す旅の途上の三騎士と出会ったディンドレーンは、ソロモン(魔法)の船、ダヴィデの剣、生命の樹、自らの運命に関して、探索に必要なそれらの情報を提供します。

しかし、旅を続けるうちに遭遇した城の女城主が患うハンセン病を治癒させるために自らの血を差し出し、「私の身体を小舟に乗せて流せば、神聖な街サラス(聖杯を発見する場所)にたどり着くでしょう」と言い残して命を落としてしまいます。

聖杯を見つけ出すという理想を実現させるために献身したディンドレーンの姿は、未来の豊かな収穫を願ってまかれた小さな希望の種を託されてそれを守り育んでいく豊饒の女神ブリジットに重なります。

インボルクのエッセンスは、夢や理想を達成するために実際の行動を起こす力となるエネルギーです。

そこに含まれたアンバー(琥珀)とウォールフラワー(ニオイアラセイトウ)の花がイエローの特性である現実化を手伝い、ヘーゼルの木は行動するために必要な情報を統合し、集中させてくれます。

また、シャーマニックパワープラントのマンドレークはそうした現実の変化を強力に促し、オリエンタルヘリボーの花がゴールへと向かう方向性を明確に定める役割を担っています。

4.【春分のソブランティエッセンス】

昼と夜の長さが等しくなる春分の日に作られたソブランティエッセンスです。
※この時季に春分のエッセンスを使えば、より大きな効果が期待できますが、それ以外の季節には効果が見込めないというわけではありません。

春分のソブランティのエネルギーの象徴する女神は“クンドリ”。

ワーグナーの作品で『パルジファル』というタイトルのオペラにも登場する聖杯伝説における魔性の女です。

パルジファルは、タロットのカードにある「愚者」の元型(アーキタイプ)そのものです。

この少年は、アーサー王伝説の中では騎士となることを夢見て何の恐れも抱かずに未知の世界へと旅立つ“愚者”であり、後に聖杯探求の騎士となります。

ワーグナーの作品の中では、魔法使いクリングゾルに聖なる槍(キリスト教の伝承では「ロンギヌスの槍」)を奪われ、不治の傷を負わされてしまった聖杯守護の王アムフォルタス(マロリー版における「漁夫王(フィッシャーキング)」)を救う“純粋な愚者”です。

「共苦(compassion)によって知を獲得する、けがれなき愚者」が救済者になるという神託により、パルジファルはアムフォルタスがとらわれている魔法の城に連れてこられ、同様の誘惑を受けます。

クリングゾルに操られ、パルジファルを誘惑する魔性の女がクンドリです。

無垢な少年を目覚めさせようとクンドリは唇を重ねますが、その瞬間、アムフォルタスと同じ苦しみを味わったパルジファルは救済者としての自らの使命に気づきます。

クリングゾルの魔法を破り、無事に使命を果たしたパルジファルは聖杯守護の王となって幕を閉じますが、クンドリがここで果たした純粋無垢な少年に「知」を与えるという行為が、春分のソブランティのエネルギーを示しているのです。

このエッセンスに含まれる、額のチャクラに対応する「ソーダライト」「ムーンストーン」「ラピスラズリ」の鉱物の力が新たな生命を生み出す春の光のようなインスピレーションと知覚を広げ、それを外に向かって明確に表現していくための強さを、春分のソブランティエッセンスはもたらしてくれます。

さらに、創造的なアイデアを浮き上がらせ、強力な変容を助けてくれるマンドレーク、目に見えないものを具現化するために助けとなってくれるピピル・ツィン・ツィンツリという2種類のシャーマニックパワープラントのエネルギーがそれらのテーマをサポートします。

5.【ベルテーンのソブランティエッセンス】

ベルテーンは「光り輝く火」を表し、穀物が実る夏を前に、その豊かさの源である太陽を迎える夏の到来を祝福、五穀豊穣の祈りを捧げる五月祭です。

時季としては、春分と夏至のちょうど中間にあたります。

エッセンスには、咲き乱れる花々といっぱいに降り注ぐ暖かい光が大地の豊かさを実感させてくれるこの季節のエネルギーが詰め込まれています。

伝説のアーサー王の妃グイネヴィアが、このエッセンスのエネルギーを表す女神です。

物語の中でグイネヴィアは夫がありながらも、円卓の騎士の一人で湖の騎士とも呼ばれるランスロットを愛し、ランスロットもまたグイネヴィアに愛を捧げました。

最終的には不倫が発覚し、反逆罪で処刑される寸前のグイネヴィアを奪い去ったランスロットと、アーサー王の治める国の間で戦争が起きてしまいます。

国家間に戦端を開くほどに強烈なパワーは、女性的な愛の力でもあり創造的な芸術の力でもあります。

それらの力を解放し、私たちの英知と能力を明るく照らし出すものがベルテーンの光。

このエッセンスに含まれたフォーゲット・ミー・ノットの花のエネルギーは創造性と成長の妨げとなっていたブロックを取り除き、シャーマニックパワープラントのマンドレークが力の解放と強力な変容を助けます。

また、レッドトルマリンとマゼンタライトの色のバイブレーションも同様に「手放して変化を受け容れる」力となります。

さらに、プラムの木は解き放たれたその力の有効な使い方を教えてくれます。

6.【夏至のソブランティエッセンス】

北半球では最も昼の長い日、夏至の日(6月22日)に夏至のソブランティエッセンスは作られました。

夏至のソブランティのエネルギーを象徴する女神は、円卓の騎士ジェレイントの妻イーニッドです。

イーニッドは、中世ウェールズ語写本から集められた物語を収録した『マビノギオン』にある「エルビンの息子、ジェレイントの物語」に登場します。

アーサー王伝説から派生したこのエピソードは、ウェールズのロマンスです。

数々の果たし合いと冒険を経て名声を広めた騎士ジェレイントが、年老いた父に代わり国を治めることになりますが、美貌の妻を得て平穏な毎日を過ごすうちに、執政に熱意がもてなくなってしまいました。

そんな息子の様子を心配して父のエルビンは嫁のイーニッドに相談します。

そして、イーニッドは自分のせいで夫が名声と誇りを失いかけているのだとなげくのですが、それを耳にしたジェレイントは妻が不貞を働いているものと誤解しました。

激情にかられて妻をつれて旅に出たジェレイントですが、その途上で巨人を退治した際、自らも深手を負わされます。

そこに通りかかった伯爵が、瀕死の状況にある夫のかたわらにいる妻の美貌を見て、下心から親切めかして自分の城に連れ帰りました。

もはや死んだも同然と伯爵が貞淑なイーニッドを力づくでものにしようとしたところ、彼女の悲鳴を聞いて目を覚ましたジェレイントによって事なきを得ます。

そして、必死になって貞節を守ろうとした妻の姿を見て、ジェレイントは自分が間違っていたことに気づきました。

ジェレイントは一命をとりとめて回復し、夫婦の関係も修復され、物語はハッピーエンドで終わります。

喜びにあふれたこの幸せな結末は、本格的な夏の到来を前に一年の中で最も光にあふれた期間に満ちたエネルギーを示します。

幸福感と解放感、そして豊かな光でココロとカラダをチャージしてくれるバイブレーションが、夏至のソブランティの本質です。

このエッセンスが作られた場所は、イギリス・コーンウォール地方のメアリーライン上にあります。

パワフルなエネルギーにあふれた、世界でも有数のレイラインです。

さらに、太陽の光を表すトパーズの輝き、祝福のマントラ(真言)、含まれているエネルギーはいずれも「喜び」につながっています。

7.【ラマスのソブランティエッセンス】

夏至と秋分のちょうど中間にあたるラマス(8月2日)は古くからケルトに伝わる慣習として、イギリスでは収穫を祝う祭が行われるそうです。

ラマスのソブランティは、温めていた計画を実行に移す時、一年の成果を摘み取る収穫の時季に満ちあふれるエネルギーであり、質の異なるエネルギーを別のエネルギーに変換させるように、いくつもの側面や積み上げてきたものを統合して結果として形作る段階にあること教えてくれます。

ラマスのソブランティを象徴する女神は、アーサー王の母であるイグレーンです。

ローマ帝国下におけるブリテンの伝説的な王ユーサー(別名ウーサーまたはウーゼル)は敵国の王の妃に恋をしました。

その女性がコーンウォール(イングランド南西部の州)の豪族ティンタジェル公ゴルロイスの妻だったイグレーンです。

ユーサー王は、魔術師マーリンの魔法でゴルロイスの姿となってイグレーンと一夜をともにしました。

その結果、ユーサー王とイグレーンの間に生まれた子が後に王となるアーサーです。

結局、ユーサー王は和睦の盟約を破って戦争を起こし、イグレーンを略奪してしまいます。

皮肉なことに、その息子であるアーサー王は後に王妃グィネヴィアに裏切られてしまう運命が待っているばかりではなく、妻とは別の女性、しかも異父姉との間にできた不義の子モードレッドに反乱を起こされることになるのですから、父ユーサー王から受け継がれた業(カルマ)ということなのかもしれません。

アーサー王の物語はともかくとして、イグレーンが宿した偉大な王となる生命の種が、ラマスの本質的なエネルギーを示しています。

それは「受胎と出産」であり、「収穫」です。

芽生えたその種から美しい花が育まれ、豊かな果実が形作られるまでのプロセス全体の流れを表していると言えます。

生命そのものを生み出すことかもしれませんし、アイデアやインスピレーション、何らかの感情、あるいはスピリチュアルな何かが芽生えることを示していることもあるでしょう。

肉体から感情、精神、スピリット、どのレベルにも関わるテーマです。

そういう意味ではイグレーンよりもむしろ、肉体を持って生まれる以前から関わり、アーサーが王となるまで支え続けた魔術師マーリンの壮大な行為そのものを象徴とする方がふさわしいのかもしれません。

ラマスのソブランティに含まれるアンバー(琥珀)とイエロー、黄色いワームウッド(ニガヨモギ)とセントジョンズワート(セイヨウオトギリソウ)の花のエネルギーはいずれも太陽のエネルギーに関連し、これらが示すのは「喜び」「充足感」「豊かな収穫」です。

そして、手にした収穫をどのように用いていけばいいのか、その力をより確かなものとするためにはどうしたらいいのか、ガイダンスや潜在能力、あらゆる源とつながるコミュニケーションの流れをトロアチェ(シャーマニックパワープラント)のスピリットが促してくれます。

さらに、濃いピンク色のミニチュアローズ(min.rosa)のエネルギーは収穫を余すことなく受け容れるための信頼を教えてくれます。

8.【秋分のソブランティ】

春分とともに一年に2回訪れる昼と夜の長さの等しくなる日(9月22/23日)に作られたエッセンスが、秋分のソブランティです。

秋分のソブランティを象徴する女神は、湖の貴婦人ニムエです。

マロリー版ではヴィヴィアン、ほかにもニミュエ、ニニアンなど違う名前で呼ばれ、その役回りも同様に一つではありません。

ニムエは、聖杯探求で活躍する円卓の騎士パーシヴァル(パルジファル)の父であるペリノア王との戦いで剣を折られたアーサー王に、二本目のエクスカリバーの剣を授け、物語の終盤では再びその剣を回収し、瀕死状態のアーサー王をアヴァロン島(黄泉の国のようなもの)へと案内するために現れる妖精です。

またそうかと思えば、後に円卓の騎士となるランスロットが父を亡くしてから成年になるまで彼を育てた養育者、あるいは赤子のランスロットをさらった強奪者として登場します。

なお、ランスロットが湖の騎士との別名を持つのはそのためです。

そして、マーリンの恋人であり伝授された魔法で最終的には彼を幽閉するという重要な役割も務めました。

人間とは異なる世界の存在である妖精と考えれば問題はないでしょうが、同一人物なのかそれとも別の人物なのか、非常にあいまいなまま物語の重要な部分に関わってくるニムエです。

目に見える世界と目に見えない世界、現実とスピリチュアルな世界を結ぶ存在であるニムエは、秋分のソブランティのテーマに直結しています。

秋分のソブランティに含まれているのは、ワームウッドの花のほかに、ペチュニア、サンオープナー、トロアチェの3種類のシャーマニックパワープラント、ブルーライトのエネルギーです。

ワームウッドの花は新たな領域へと進む恐怖と不安から解き放つエンパワーメントのエネルギー、そして、精神性とコミュニケーションを象徴するブルーの色と、霊的に重要な意味を持つ植物たち(シャーマニックパワープラント)が示しているのは、目に見えない領域におけるスピリチュアルなコミュニケーション。

未知の世界へと足を踏み入れて必要な情報を見聞きするためのサポートとなる、新しい扉を開いてくれるエッセンスと言えます。

9.【アースゴッデスのエッセンス】

アースゴッデスは女性性(陰)のエネルギーがこめられた、地母神、つまり母なる大地の女神に象徴されるエッセンスです。

世界の国々には数多く存在する神話や伝説、そこに登場する神の元型はほとんどの場合、男性ではなく女性の神でした。

そこに根差した神、国を作り統治する神は女神であり、その土地にちなんだエネルギーを表していると考えることができます。

時代の移り変わりとともに、それらの神は徐々に男性に取って代わられてきましたが、それは現代人の多くがアースゴッデスに象徴される女性的な女神のエネルギーと切り離されていることを示していると言えます。

すべてのソブランティエッセンスにシンボルイメージとして挙げられている女神たちは、ソブランティ(支配権)を与えるその土地の女神との結びつきを強め、自然とのつながりを取り戻すことによって、源泉となるエネルギーを十分に利用することができるようにとのテーマを表しているのです。

したがって、アースゴッデスは、自然と人間を調和させるためのエネルギーとしてのソブランティエッセンスをサポートするためのものです。

作り手のスー・リリーによれば、アースゴッデスは「ケルトの古い伝承に基づいた女性性を維持するものであり、古代エジプト神話における真理をつかさどる女神マアト(マート)のイメージ」だそうです。

古代エジプトにおいては、女神マアトの承認を受けることによってファラオ(王)となることができました。

また同様に、日本においては『日本書紀』および『古事記』に登場する木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)のイメージであると言います。

天照大神(アマテラス)の孫であるニニギの尊(ミコト)が葦原中国(あしはらのなかつくに)を平定するために高天原(たかまがはら)から地上に降り、そこで美しい木花咲耶姫と出会って求婚します。

木花咲耶姫の父親は喜んで姉の石長比売(イワナガヒメ)もともに嫁がせますが、醜い石長比売だけは送り返されてしまうことになりました。

それを受けて父親の大山津見神(オオヤマツミ)が二人一組で嫁がせた理由を明かします。

木花咲耶姫を妻としたことで木の花のように繁栄するだろうけれども、石長比売を妻としなかった御子(ニニギ)の命は岩のように永遠のものとはならず、花のようにはかなくなると語られています。


魔術師マーリン

10 .【マーリンのエッセンス】

アーサー王の物語で重要な役割を担う魔術師マーリンに象徴されるこのエッセンスは、男性性(陽)のエネルギーです。

したがって、女性性(陰)のエネルギーであるアースゴッデスとは対になり、自然と人間を調和させるためのエネルギーとしてソブランティのシリーズすべてをサポートするエッセンスと言えます。

マーリンはアーサーが生まれる以前から王となることを予知し、父となるユーサー王と取引をします。

人妻のイグレーンを手に入れるためにマーリンの魔法の力を必要としたユーサー王は、ある条件を飲むことによって望みを叶えます。

それは、誕生した赤子をマーリンが引き取るというものでした。

マーリンはその子は必ず王となるので心配はいらないと言い、後にその通りとなります。

アーサーが王となるように導き、陰ひなたに見守って魔法の力で支えていったのです。

しかしある時、マーリンは突然、アーサー王の物語から姿を消してしまいます。

ニムエという女性に恋をしたことが発端でした。

すべての結末は予知されていましたが、マーリンは求められるままにそれが自らの破滅を招く禁忌だと知りつつも、あらゆる魔法を彼女に伝授します。

そして、理由ははっきりと語られていませんが、皮肉にも愛するその女性に幽閉されてしまい、眠りにつくことになります。

マーリンは人間の母と悪魔(夢魔)の父から生まれたとされる魔法使いです。

現代で言えば、シャーマン(巫女)やヒーラーと呼ばれるような人たちすべてを象徴的に表す存在と言えます。

ニムエが女神(アースゴッデス)であるならば、人智を超えた力を持ちながらも人間的な弱さや感情を残した半人半神の立場にあるマーリンは、その意にさからうことができなくとも仕方のないことなのかもしれません。

自然(女神)のルールに従って社会生活を営む人間でもある彼らは、その法則に縛られずに超自然的な力を用いることができたとしても、最終的には従わざるを得ないのです。

マーリンのエッセンスは女神(自然)のエネルギーを人間界に届け、使うことができるように助けてくれるもの。

個人が自分の道を誤らずに歩んでいくための叡智と気づきをもたらし、人間が自然の流れに逆らわずに適合していくためのサポートとなるエネルギーです。