「世界は数字で表すことができる。数字を使うことによってカオスに秩序が生まれる」
数秘術の父と呼ばれるピタゴラスの言葉です。
言葉や色、物の形に象徴的な意味が隠されているように、一つひとつの数字にもまた意味があり、力があり、すべてを数字に変換することができるという考え方が、数秘術の基本となります。
数秘術(数秘学)を生み出したのは、古代ギリシャ(紀元前582〜496年)の数学者であり、哲学者でもあったピタゴラスだとされていますが、その時代よりもさらに数千年さかのぼったギリシャ、中国、ローマ、エジプトの地でも数秘術が使われていた証拠が存在すると言います。
その数秘術の考えに基づいて、「グリーンキングダムキーエッセンスを選んではいかがでしょうか」という一つの提案です。

グリーンキングダムキーエッセンスは、大小500以上の島々からなるスコットランド北西部のヘブリディーズ諸島(ウェスタンアイルズ)という非日常的な世界で作られました。
牧歌的な中世の山間、あるいは大航海時代を思わせる海に囲まれた島々の情景……、写真で見るそれらの島々からは、日常から切り離された神秘的な世界、神々の住む天界の領域につながっていると言われても不自然ではないほどの、在る意味異質なバイブレーションが伝わってきます。

現実の空間に、二重写しのように重なって存在している“間(はざま)”の国、グリーンキングダム(緑の王国)そのものであるヘブリディーズ諸島という環境のエネルギーから作られたエッセンス。
いわば、目に見える現実の向こうに存在する自然界のスピリットを象徴し、そこにアクセスするためのカギとなるもの。
それが、グリーンキングダムキーエッセンスです。
この土地でつちかわれた住民の歴史、文化に関わるエネルギーが転写されています。

作り手のサイモン&スーでさえ、これらの波長に共鳴した人だけが使えば良いと公言しているくらい、スピリチュアルなエッセンスです。
「この特別なエッセンスは万人向けではありません。その言葉にひかれる人たちだけが、これを自分のものだと感じるでしょう。閉塞感に囲まれている時に役立ちます」と話していました。
人間には聞こえないけれど、動物には聞こえる音域があるように、特定の人たちにしか響かない非常に狭い範囲の周波数帯なのでしょう。
それだけに、意図的かどうかは分かりませんが、グリーンキングダムキーのシリーズには他のエッセンスのようにエネルギーの性質を定義した万人向けの解説がありません。
あるのはKey1〜10と名付けられたタイトルと、抽象的な詩で表現されたスピリットのメッセージだけです。
これではあまりにも不親切で分かりづらいので、だれにでも楽しめる方法を考えました。
それはとてもシンプルな選び方です。
数秘術で自分に関連深い数字を導き出し、エッセンスのタイトルにあるKeyナンバーから選びます。
何も数秘術だからと言って、難しい公式を使って計算しなければならないということもありません。
ピンポイントで自分が直面している問題に有効なエネルギーを備えた数を導き出すこともできますが、最初は生年月日から誕生数または基本数と呼ばれる数を求めて同じKeyナンバーのエッセンスを摂ることから始めた方が良いでしょう。
その場合の求め方は、生年月日のすべての数字を足し合わせ、一桁(1〜9)になるまで繰り返すだけです。
ex.作家の村上春樹氏の場合
◎誕生日1949年1月12日
計算式:
1+9+4+9+1+1+2=27
→2+7=9
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生まれた日は変えることができませんから、誕生数はその人の天性や生き方、人生のテーマを示しています。
この誕生数と同じKeyナンバーのグリーンキングダムキーエッセンスが、人生のテーマを成し遂げることを手伝ってくれます。
なお、「key10」は倍音の響きのように、一段階上にシフトアップさせてくれる強力なサポートとして、必要に応じて求められた誕生数のエッセンスとともに摂ると良いでしょう。
■グリーンキングダムキーに対応する数のパワー
基本数(Keyナンバー) |
数が示すテーマ |
キーワード |
【1】 |
創造と自信 |
決断力、リーダーシップ、自立心、行動力、自己中心的、ごう慢 |
【2】 |
協力とバランス |
協調性、感受性、やさしさ、気配り、忍耐、優柔不断、依存 |
【3】 |
表現力と感性 |
想像力、刺激と多様性、開放的、社交的、楽天家、デリケート |
【4】 |
安定とプロセス |
自制心、率直、堅実、現実的、頑固、保守的、受け身 |
【5】 |
自由と訓練 |
変化、順応性、多才、スピーディー、活発、衝動的、逃避的 |
【6】 |
理想と受容 |
調和、家庭、理想主義、責任、妥協、心配性、教師、奉仕 |
【7】 |
信頼と開放 |
誠実、知的、ストイック、専門家、分析的、エキセントリック、孤独 |
【8】 |
豊かさと力 |
強さ、実行力、権力、財力、地位、野心的、物質的、ごう慢、短気 |
【9】 |
高潔さと知恵 |
完成と統合、正義感、寛容、人道主義、歓喜と憂うつ、非現実的 |
【10】 |
倍音 |
覆る既成の秩序、新たな時代の始まり、新たな意義の芽生え |
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◆ 数に秘められた力が意味するもの
【Key1】
ファーストキー『1』の主なテーマは、「創造」「自信」「自立」です。
この世界においては実像を持たない「0(無)」から『1』という実在として表出する力です。
それは想像から創造する力、すべてはイメージしたからこそ現実となり得ます。
ファーストキーのエッセンスの詩にある「すべての万物の中心にある緑のハート」は、あらゆる創造的なエネルギーを供給してくれる源となる大地であり、地球であり、宇宙と捉えることができます。
自分を確立し、成長していくための資質は緑色のエッセンスそのものです。
ファーストキーのエッセンスもまた、自分の根底に流れる創造的なエネルギーの解放を促す内なる自信を手に入れるために助けとなってくれるはずです。
【Key2】
セカンドキー『2』の主なテーマは、「協力」「バランス」です。
『2』という数字は、パートナーや協力する相手に合わせて、時には耐えることによってバランスを保つという受容的で女性的な側面を象徴しています。
セカンドキーのエッセンスを定義する詩の中には「同じテーブル」「結晶する場所」「対話する場所」というフレーズが出てきますが、あえて解釈するならば、人と人の関わり合い、スピリットとスピリット、あるいは世界と世界……、さまざまな関係性を表しているのかもしれません。
現実レベルにおいてセカンドキーエッセンスのエネルギーは、自己犠牲的な奉仕に人生を費やす傾向にある人たちに、協力と隷属の違いを教えてくれるはずです。
全体を創造するために、「1」は『2』を必要としています。
【Key3】
サードキー『3』の主なテーマは、「表現力」「感性」です。
「1」と「2」が男性と女性、あるいは天と地を表すならば、『3』はそれらを結び合わせる力、新しく生み出される力、つまり誕生という テーマを象徴しています。
直接的な象徴と考えれば、育まれた愛の結実としての「結婚」を示唆していることもあります。
陰と陽の関係にある「1」と「2」によって成り立つ世界そのものが育んだ『3』は、それらを結び合わせるバランサーであると同時に、包含する新たな可能性です。
二輪車は人間の支えがなければ立っていることはできませんが、三輪ならば不安定ながらも自立することができます。
そして、直進する限りは立ち止まったままでいるよりも、さらに安定した状態で前へと進むことができるのです。
『3』という数字は、ひらめきや才能の開花、出産、新しい何かを生み出し、その流れに乗って進んでいくために有用なエネルギーと言えます。
「行きなさい、あなたはできる」
「すべてはうまくいく」
【Key4】
フォースキー『4』の主なテーマは、「安定」「秩序」です。
「1」と「2」が出会って生み出される新たな力が「3」の創造的なエネルギーですが、その前向きな拡がりは『4』の段階で、いったん止まります。
じっと動かずに維持しようとしても、変化の波を止めることはできず、そのままでは腐敗して衰えていくばかりです。
したがって正確には大きな流れの中で、一時的にそのプロセスの進み方がゆるやかになる時期、堅固な構造と秩序を整えるための安定期にあると言えます。
初めて子どもを授かった若い夫婦が、それまで二人で暮らしていた手狭な家を出て新たな土地に家を建て、人生の基盤を作ろうとするようなものです。
さらに言えば、人生における状況は常に変わっていくものなのに、その場所に固執したり、変化を恐れていつまでも適切な家に住み替えようとしないようであれば、そこに待っているのは衰退しかありません。
フォースキーエッセンスの詩の中に見られる「小さな洞窟」「(湖の)入江」はいずれも落ち着けるスペースを表し、「白い鳩」はまさに平和の象徴です。
そして、宙を舞う白い羽根のイメージは、定まらない運命を示しているようにも受け取ることができます。
まるで、「安全に守られたその場所からどこに向かって行くのかは、すべてあなた次第なのですよ」と告げるかのように。
【Key5】
フィフスキー『5』の主なテーマは、「自由」「冒険」「訓練」です。
「1」から始まった人生の旅は「2」との出会いを経て、「3」へと成長、拡大していき、「4」に落ち着きました。
いわば、ここまでで一つの区切りを迎えるわけです。
しかし、流れが滞った水はよどんで腐り行くもの、そのまま動きを止めているわけにはいきません。
そこで、前に進むために自ら安定を手放して『5』に転じるのです。
「入り口はそこにある」
新たな運命の扉が開かれ、また人生という名の冒険が始まります。
『5』のエネルギーがもたらす変化は、自立または独立という直接的な変化ばかりでなく、「これまでとは違う見方」に変わることでもあり、そうして自由(自立、独立)を得るための訓練に入るような環境の変化です。
運命の扉を開ける「キーはあなた自身」の内側にあります。
【Key6】
シックススキー『6』の主なテーマは、「理想」「受容」「調和」です。
「5」のステップで自由を得た今、それにともなう責任を背負うことのできる一人前の大人としての第一歩であり、安定から変化を経て新たな調和を達成することが『6』で課された試練と言えます。
それはこの数字の中に含まれた男性性と女性性の均衡を図ることであり、本来反対の性質を持つ者同士が結ばれて生活をともにする「家族」「家庭」がキーワードの一つに数えられます。
「安全に故郷へと送り届けるため」に私たちを見守る者、待っている女性は母であり、“家”なのかもしれません。
完璧な調和、完全を追い求めるあまり、内面をないがしろにして外界をさまよっている男の物語がそこにあることも、あるいは完璧な理想に見合う何かが生まれるまではと表に出ることができずに内にこもっている女性のストーリーもあるでしょう。
男性的な部分、意識している部分(自我)だけではうまくいかないことも、女性的な部分、直観的な無意識の領域が結びつくことで、全体的な流れが生じることもあります。
『6』はその統合のプロセスを意味します。
【Key7】
セブンスキー『7』の主なテーマは、「信頼」「開放」です。
「6」で得た調和とバランス(意識と無意識、男性性と女性性)を保ちながら、新しい時代、新たなプロセスが、また『7』で始まりました。
ちょうど、幼年期から青年期へ、親元から離れて広い社会へと移行するように。
逆に言えば、「6」で成し遂げた調和を崩さずにして、より大きな運命に立ち向かって行くことが『7』のステップで試されることになります。
人間の身体にある主要なチャクラは7つ、第7のチャクラ(クラウン)から上は別の次元、高次のレベル、新たなフェイズに入ることを意味します。
「あなたの知識や経験が、あなたを盲目にする」
それまで蓄えてきた知識や常識に頼らず、歩んできた自分の人生のプロセスと魂、他人を信頼し、持てる限りの力を開放して新たなフィールドを駆け抜けて行くことができるのか? 『7』が与える試練です。
【Key8】
エイトスキー『8』の主なテーマは、「豊かさ」「力」です。
「すべては美しい」
天秤の2つの皿を垂直につなげた『8』の形は天と地の「均衡」と考えることもできます。
それは「力」の均衡を表しているとも言え、怒りや恐怖、あるいは攻撃性など、内なる力をコントロールすることが『8』の試練です。
そして、自分自身の価値を認め、ありのままの自分を受け容れることで、「豊かさ(力)」を手に入れます。
自分の力を抑圧するのではなく、自分を信じて外の世界に足を踏み出すことによって、経済的、あるいは精神的、さまざまな豊かさを成し遂げることができるでしょう。
つまり、自分の持てる力、豊かさを利用することが可能になったのです。
『8』という数は、世界は豊かさにあふれているということ、物質世界とはまた違ったレベルの豊かさがあることを告げています。
【Key9】
ナインスキー『9』の主なテーマは、「高潔さ」「知恵」です。
目に見えない存在は言います。
さまざまな制約、他人からの視点に囚われずに「無であり自由である」こと、そうして「私たちを見つけなさい」と。
この世界における常識とはすべて後付けの知識、真の知恵とつながるために、目に見えない領域へとアクセスします。
目に見えない存在、それは自然界のスピリットであり、より繊細な次元に在るかもしれません。少なくとも鉱物界のスピリットであるクリスタル、植物界の樹木や花たちは、自分たちを利用するようにと、常にシグナルを送り続けています。
例えば、社会的には認められないかもしれないけれど、奥深い内面に明滅する自分自身の可能性の輝き、光明を見いださせてくれることもあります。
「7」のプロセスで心から信頼して自分を開放し、「8」の試練を乗り越えて世界に分かち合うことのできる豊かさを手に入れました。
そして、『9』の課題は自分の内面からあふれ出る光(知恵)によって、たくさんの人を導いていくことです。
先頭に立って歩いていくリーダーは孤独かもしれません。
しかし、自分自身の内側に立ち返ること、内と外の世界を行き来する能力もまた、『9』のエネルギーそのものと言えます。
【Key10】
テンスキー『10』の主なテーマは、「完成」「倍音」です。
正確には周期は「9」で完結しています。
終わりと始まりが同時であるように、『10』はまた新たな段階のファーストステップでもあるのです。
『10』を表記する2つの数字を足した時、つまり1+0は「1」になります。
付け加えて説明すれば、「11」は1+1、「2」の力も同時に担っています。
人生における一つの旅が、「9」で終わりを告げました。
そして、『10』からまた新たな運命を刻む時計の針が回り始めます。
ターニングポイント(転機)であり、同じフロアから抜け出せずに堂々巡りを続けていたところ、次の階へと進むための踊り場を見つけたようなものです。
あるいは順調に駆け上がってきたのに、踊り場で立ち止まらざるを得なくなっているのかもしれませんが、いずれにしても新たな秩序が待っていることは確かでしょう。
1オクターブ上の音域で奏でられる演奏の始まりです。

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