◆タ行
ダイオプテーゼ(Dioptaze):翠銅鉱
【鉱物Data】
成分:Cu6Si6O18・6H2O
硬度:5.0
色:ディープグリーン、ブルーグリーン
特徴:
「エメラルドのような」と例えられる鮮やかなグリーンは、彩度が高く、深く濃い色合いの緑です。
ファイヤー(遊色効果)を表す強いきらめきは、むしろエメラルドよりも華やかと言っても良いでしょう。
ただし、宝石として加工するには硬度が足りず、エメラルドの輝きに比べれば、ダイオプテーゼ(ダイオプテーズ)の華やかさは軽薄さと同義でもあります。
日本名は翠銅鉱、緑色に変化した自然銅のことです。
銅は、他にも表面の酸化によってできる赤銅鉱(cuprite)やマラカイト(孔雀石)など、美しく多彩な色の鉱物を生み出します。
【パワーストーンのおとぎ話】
ダイオプテーゼは深い内面にまで届くスピリチュアルな光を放ち、トラウマや魂の傷を癒してくれると言われています。
「透けて見える」という意味のギリシャ語に由来して名付けられたその名前からも分かるように、ダイオプテーゼを通すことによって、深層に隠れた心の傷、魂の傷を目にすることができるのかもしれません。
ダイオプテーゼを額に置いたり、見つめながら黙想をすれば、この奥深いグリーンの光が、本当に求めていること、真の願望や目標、夢を浮かび上がらせてくれることでしょう。
主なキーワード:透視、トラウマ、魂の傷、奥深い内面の気づき
タイガーアイ(Tigereye):虎目石
【鉱物Data】
成分:SiO2
硬度:7.0
色:ゴールド、ライトブラウン、ダークブラウン
特徴:
タイガーアイは、蛇紋石や角閃石の仲間で繊維状のクロシドライト(青石綿※正確にはリーベック閃石)が硬く丈夫な石英分(クォーツ)で覆われたケイ酸塩鉱物です(※タイガーアイに触れることによって人体に害が及ぶ心配はありません)。
産地は南アフリカのトランスヴァールが世界的に有名で、大量に採れるため比較的安価に流通しています。
カボションや丸玉に磨かれると、木目のようなメイプルカラーを背景に、イエローゴールドに輝く光の筋が現れることから、タイガーアイ(虎目石)と名付けられました。
クロシドライトに含まれている鉄分の酸化の度合いによって色合いが変わり、それぞれ異なる名前で呼ばれます。
青石綿のブルーグリーンがそのまま表れているものがブルータイガーアイ(青虎目石)です。
鷹の目を持つ石という意味で、ホークアイまたはファルコンアイという別名で呼ばれることもあります。
クロシドライトの鉄分が高温下で酸化して赤い色味を帯びたものがレッドタイガーアイ(赤虎目石)と言いますが、市場に流通しているものはほとんどが人工的に熱処理が加えられたものと考えて間違いないでしょう。
レッドタイガーアイにはブルズアイという別名もあり、これは興奮して血走った雄牛の赤い目のことを示していると思われます。
ピーターサイトは、比較的最近になってから発見されました。
別名テンペストストーン(大嵐の石)、ホワイトグレーからブルー、ブルーパープル、ブラウンの多彩な色は、天気図で見る台風の雲のようにうねりながらからみ合う模様を描き出しています。
アイアンタイガーアイ(タイガーアイアン)は光の筋となる黄金色の部分はそのままに、鉄分によって赤く彩られたレッドジャスパーと、こちらもまた鉄を成分に持つヘマタイト(赤鉄鉱)が混ざり合った石です。
一般的には鉄鉱石を採掘するための鉱石として扱われ、縞状鉄鉱と呼ばれています。
そのため、現在も北米やオーストラリア、南アフリカなどに大規模な鉱床が存在しています。
【パワーストーンのおとぎ話】
落ち着いたブラウンとまばゆいイエローゴールドのバイブレーションは、大地に根付くグラウンディングと意識を高いレベルへとシフト(移行)させる両極の性質を備えています。
したがって、高められた意識を日常世界に反映させる現実創造のために力を発揮してくれます。
それが金運と仕事運の石と言われる所以です。
また、特に男性的なエネルギーと共鳴しやすい傾向があることも、その特性を裏付けていると言えます。
されに、見る角度によって形の変わる光の筋が象徴するように、ネガティブなエネルギーをそらして、身に着ける人を守ってくれるアミュレットとしても古来から知られていました。
主なキーワード:意識進化と現実創造、男性性、守護、富と繁栄
■ブルータイガーアイ
力強いイエローゴールドの光に比べ、より繊細な響きを持ったブルーグリーンの輝きは、スピリチュアルな面で視野を広げ直観を研ぎ澄ませてくれるシャープな響きです。
広く全体を見渡すことのできる鋭い鷹の瞳は、複雑な状況においても困難な決断を下せる鋭敏なメンタリティを与えてくれます。
また、感情面においては適切な距離感で気分の変動が少なくなるように促してくれます。
主なキーワード:直観、展望、広い視野、鋭敏さ、気分の変動
■レッドタイガーアイ
クリスタルヒーリングの第一人者とも言えるカトリーナ・ラファエルさんとともにワークを行っていたジェーン・アン・ドウさんは、自身の著書の中で、レッドタイガーアイ(ブルズアイ)のメッセージは活力を呼ぶために強さと軽快さを促す「順応性」だと言っています。
ヨーロッパの飲料メーカーが販売している「赤い雄牛」という名前の栄養ドリンクがありますが、ブルズアイというネーミングは“活力を促す”という性質を分かりやすく言い表しています。
人工処理によって彩られた赤い光からは、何かせき立てられるような居心地悪さ、性急な違和感が感じられることもありますが、腰の重たい人や特定の行動を起こすことにためらいを感じているような人にはちょうど良いファシリテーター(促進者)なのかもしれません。
主なキーワード:順応性、活力、促進
■ピーターサイト
激しく吹きすさぶ風と豪雨をイメージさせる独特な光沢を見せる模様は、大嵐のように強烈なエネルギーとともに、嵐によってもたらされるカオス(混沌)を象徴しているとも言えます。
そこから読み取ることのできるピーターサイトのエッセンス(本質)は、混乱した状況においてかき乱された感情や頭の中を整理するための、少々手荒なサポートです。
あるいは、暴風雨のようにすべての混沌を吹き飛ばし、洗い流してくれるパワフルなエネルギーを指しているのかもしれません。
ピーターサイトには、「ブレイクスルー(打破)」という言葉がよく似合います。
次のステージへと移行するために後ろから背中を押してくれる大きな手のようなものです。
乗り越えなければいけない壁にぶつかった時には心強い味方となって、大いに働いてくれるはずです。
主なキーワード:嵐、カオス(混沌)、混乱の収拾、移行、打破
■アイアンタイガーアイ
重厚な金属の輝きを見せるダークレッドのヘマタイトと、大地の赤土色に染まったレッドジャスパーと結びついた、非常にパワフルな生命力とグラウンディングのエネルギーで満たされています。
ゴールドイエローの光がそれらのエネルギーを活性化させ、次の段階へと運び上げてくれる役割を担っています。
ココロもカラダも限界まで消耗してしまった時、アイアンタイガーアイが刻む鼓動は、前向きな姿勢と明るい展望を取り戻させてくれるはずです。
主なキーワード:グラウンディング(根付き)、生命力、回復、抵抗力
タービッドクォーツ(Turbidquartz)
【鉱物Data】
成分:SiO2
硬度:7.0
色:ホワイト
特徴:
「濁った」「濃密な」という意味を持つタービッド(「Turbid」)と名付けられた水晶です。
<この不透明な白色の結晶は、夏の入道雲の思わせるモコモコとした形が最大の特徴と言えます。/p>
結晶の過程において何らかの要因が生じ、いったん溶けてコロイド状(微細な粒状)に固まった水晶の変種と言われていますが、正確なところは分かりません。
水晶の特徴である六角柱の形も見られますが、何かに覆われているような感じではなく、そうかといって成長の途中で溶かされたような不自然さもありません。
目に見えない結晶格子の段階から変化していったのではないかと思えるほど、自然な造形です。
ブラジルの南、ウルグアイ寄りに位置するリオ・グランデ・スール州が唯一の産地と思われます。
【パワーストーンのおとぎ話】
水晶は互いに結び付いた原子からできる結晶格子のパターンが積み重なって形作られるクリスタルです。
その安定したパターンを止める、あるいは変えさせるほど大きな環境の変化を経て生まれてきたのがタービッドクォーツだとすれば、そこには何らかのメッセージが含まれていると考えるのが自然でしょう。
キャンドルクォーツやミルキークォーツが鋭い負のエネルギーを「中和」「拡散」させる調和をもたらすならば、タービッドクォーツはそのエネルギーをさらに細かく滑らかに和らげてくれるはずです。
そして、その穏やかな形とやさしいバイブレーションの奥には大きな変化にも負けず状況を打ち破っていく真の強さが隠れているように思えます。
主なキーワード:リラックス、中和、拡散、ハーモニー、真の強さ
タンザナイト(Tanzanite)
【鉱物Data】
成分:Ca2Al3(SiO4)3(OH)
硬度:6.0〜6.5
色:ブルー、パープル、ブラウン※多色性
特徴:
グリーンのゾイサイトと同じく緑簾石(エピドット)のグループに属し、名前が示すとおり、タンザニア・キリマンジャロのふもとに広がる丘陵地帯が唯一の産地です。
有名なアメリカの宝石店ティファニーによって広められたタンザナイトの名が定着していますが、鉱物学会はこの名前を認めずブルーゾイサイトとしています。
見る角度によって異なる色合いを示す多色性が最大の特徴です。
原石は赤、青、褐色を含んだくすんだ色合いですが、加熱処理によって美しいコバルトブルーやブルーイッシュパープルの発色が強調されます。
【パワーストーンのおとぎ話】
タンザナイトは、ありきたりな日常の中からスピリチュアルな啓示を見い出させてくれるほどの霊性を秘めた石です。
アメジストと比べて言えば、内向的な深い紫色の光とは違って、夜が明ける寸前に朝日が闇を浸食するように広がっていく青紫色の空を思わせます。
そのバイブレーションは、うっ積した強い感情を素早く解放し、直観とサイキックなスキルを刺激すると言われています。
精神性の青い糸とリアリティの赤い糸が織りなす高貴なパープリッシュブルーは、昼と夜の橋渡しをするように、あるいは日常と非日常を結合するように、新たな全体性を生み出す力を示しているようです。
主なキーワード:拡大、コンバイン(結合)、霊性、新生
トパーズ(Topars):黄玉
【鉱物Data】
成分:Al2SiO4(F,OH)2
硬度:8.0
色:クリア、ブラウニッシュイエロー、ライトブルー、ピンク
特徴:
トパーズにはクロム(イエロー)や鉄(ブルー)、マンガン(ブラウン)などの金属成分を要因とする多彩な色が見られますが、淡い黄色、あるいは透明な色合いが一般的です。
そのため、日本では黄玉と呼ばれていました。
電灯や自然光で変色しやすい性質を持っているため、保管には注意が必要ですが、ブラジルで採れるインペリアルトパーズは色落ちすることがないと言われています。
インペリアルトパーズの多くはゴールデンイエローに彩られていますが、赤紫色のものは特に価値が高いとされています。
また、ピンクトパーズはパキスタンのカトラン産が特に希少価値が高く、同じパキスタンを始め、ロシア、ブラジルで見つかるブルートパーズも非常に人気の高い色です。
■インペリアルトパーズ(ゴールデンイエロー、赤紫)
ブラジルで発見されたゴールデンイエローの結晶はインペリアルトパーズと呼ばれて人気がありますが、同じ名前でも赤紫の色合いを見せるものはさらに希少です。
また、かつてロシアでロマノフ王家が独占したトパーズにつながるシェリー酒のような赤褐色の結晶もまた、「皇帝(インペリアル)」の名を冠せられています。
■ブルートパーズ(ペールブルー)
天然のブルートパーズの色合いが何によるものなのかは、いまだに解明されていないそうですが、高価なことからジュエリーとして流通しているものの中には無色透明なトパーズを熱と放射線によって人工的に着色したものが多く見かけられます。
濃いブルーの色合いにむらなく染まったトパーズは、ほとんどが人工的な処理によるものと考えて良いでしょう。
産地としては、パキスタン、ロシア、ブラジルなどが代表的です。
■ピンクトパーズ(ペールピンク、ピーチピンク)
ピンクトパーズの産地はパキスタンのカトランが唯一とされていますが、色合いが微妙に異なるピンク色のトパーズは同国内のいくつかの産地で見つかります。
主にブラジルやロシアを産地とする「ピンクトパーズ」は、厳密にはピンクゴールドのインペリアルトパーズと言った方が良いかもしれません。
いずれにしても、その発色要因は成分のクロムによるものです。
なお、ブルートパーズと同様に、ジュエリー用にカットされた結晶の中には加熱処理を施すことによって黄色いトパーズをピンクに着色したものもあるそうです。
【パワーストーンのおとぎ話】
インドやヨーロッパにおいて、トパーズは古くから木星に関連づけられていました。
成功、発展、拡大を司る惑星、木星が示すテーマは、自分の内面にある価値観や枠組みを超えることにあります。
トパーズは自分が本当に求めている人生を具体化し形作ること、つまり自己実現を助けてくれる石です。
開放的な考え方や率直さをもたらし、内面の豊かさに気づいて感動的な人生を送るためのサポートとなります。
この石に惹かれる人は、肉体的、精神的な痛みを無意識のうちに他人からもらってしまうほど感受性の強い人だと言われています。
目に見えない領域へとつながるハート(感情)の扉を開くカギ、それがトパーズなのでしょう。
意識を高めてそのカギをうまく使うことができるようになれば、より繊細な領域、スピリチュアルな領域へとアクセスすること可能になるはずです。
クリア、ピンク、ブルー、ゴールド、それぞれの色は個々の意識レベルを表しています。
その人にふさわしい色合いのトパーズが人生のシナリオに登場することでしょう。
主なキーワード:ハート、感受性、自己実現、スピリチュアリティの向上
■インペリアルトパーズ
惑星系の中心である太陽を象徴するゴールデンイエローの光は、身体の中心である太陽神経叢(ソーラープレクサス)を暖かく照らす光でもあります。
したがって、インペリアルトパーズのバイブレーションは、自己実現や認識力、神経的な疲弊、食欲不振など、太陽神経叢がつかさどる機能にさまざまなレベルから働きかけます。
また、スピリチュアルなレベルでの強さをもたらしてくれる高次の光は、霊的な守護のためにも有効と言えます。
主なキーワード:太陽神経叢、自尊心、自信、自己実現、認識力、霊的な守護
■ブルートパーズ
ライトブルーの色に備わるコミュニケーションの資質には現実と別次元を結び付ける能力が含まれています。
みずみずしく艶やかに輝くトパーズの光は肉体を超えてハイヤーレベルにまで届くスピリチュアルな響きです。
そのまばゆい輝きは色素の薄い青い瞳が日差しに過敏な反応を示すように、わずかな刺激をも感じ取ってしまう繊細な感受性を象徴しています。
ブルートパーズに共鳴した時、それは直観や霊性、あるいはオーラといった言葉で言い表される繊細な領域にまで、意識のアンテナが拡がっている時なのかもしれません。
主なキーワード:感受性の高まり、高次元の領域、安らかさと穏やかさ、コミュニケーション
■ピンクトパーズ
トパーズは、スピリチュアリティ(霊性)につながる感受性、あるいは目に見えないサトルレベルの繊細なエネルギーといったキーワードに深く関わるクリスタルですが、中でもこのピンク色に染まったトパーズは、ハートが入り口となります。
ハートの扉を開くことは、自らの意識を繊細なレベルにアチューンメント(同調)させるのと同じことです。
感受性が強すぎて他者の感情を真正面から受け取ってしまい、不必要な影響を受けてしまう傾向にある人、またはスピリチュアルなガイドによるメッセージやハイヤーセルフ(高次の自己)からの情報のように直観的なものと、自らの内面からわき上がる感情を混同しがちな人たちにとっては、特にそれらの調和をとるために役立ちます。
主なキーワード:ハートコミュニケーション、感受性、スピリチュアリティ
トルマリン(Tormarin):電気石
【鉱物Data】
成分:Na(Mg,Fe,Li,Mn,Al)3Al6(BO3)Si6.O18(OH,F)4
硬度:7.0〜7.5
色:赤、青、黄、緑、ピンク、紫、オレンジ※ほぼ全色
温めることで静電気を発生することから、トルマリンには電気石という和名がつけられています。
トルマリンの産地は、ブラジル、パキスタン、アフガニスタン、北米にヨーロッパ、アフリカにいたるまできわめて広い範囲に渡っていて、ほとんどの色合いを見ることができます。
特徴:
■ブラックトルマリン
中でも鉄分を多く含んだ真っ黒なブラックトルマリン(別名ショール)は、最もよく見かけられるバリエーションの一つと言えます。
■ブルートルマリン(インディゴライト)
インディゴライトはブルートルマリンの別名で、その色合いから名付けられました。
有名な産地はブラジルとアフガニスタンです。
インディゴブルー(藍色)に染まったトルマリンは稀少な上に大きな結晶はさらに少なく、市場では高い値がつけられています。
■ピンクトルマリン(レッドトルマリン)
ピンクあるいはレッドの色合いを持つトルマリンは、欧米ではルーベライトという名前の方が一般的です。
多彩な色が見られるトルマリンの中でも、淡いピンク色から赤に近い鮮やかなキャンディレッドに染まったルーベライトは宝石としての人気も高く、原石からファセットカットが施されたカボションまで、幅広く流通しています。
■グリーントルマリン
欧米で一般的にバーデライト(verdelite)と呼ばれるグリーントルマリンです。
中には黒に近いディープグリーンの結晶も見られますが、エメラルドのような色合いのグリーンに彩られたトルマリンはジュエリーとしても人気があります。
■ウォーターメロントルマリン(ピンク/グリーン)
だれでも一目でそれと分かる、スイカを思わせる色と模様がウォーターメロントルマリンの名前の由来です。
スイカの皮を思わせる外側のグリーンと、赤い実の部分にあたる内側がピンクに染まったトルマリンを指します。
グリーンとピンクの二色の色合いを持っているだけではウォーターメロンとは言えず、その場合はバイカラー(二色)トルマリンと呼ばれます。
したがって、大抵はそれと分かるように断面にカットされるか、三角柱の原石のままで流通しています。
■パライバトルマリン(ネオンブルー、ブルーグリーン)
彩度の高い独特なブルーまたはグリーンに染まったパライバトルマリンは、最初に発見されたブラジル・パライバ州に由来して名付けられました。
従って本来ならば、たとえ同じ色合いであっても、別の産地で採れた結晶はパライバトルマリンとは言えません。
しかし、人気が高まるにつれ、同じブラジルの別の州で産出したものやアフリカのナイジェリアやモザンビークなどで採れたものが多く流通するようになりました。
そして、「パライバトルマリン」という宝石名をどのように定義するかが問題になり、‘06年に日本ジュエリー協会によって「産地には関係なく銅イオンによってブルーからグリーンの色合いを示すもの」と定義されています。
【パワーストーンのおとぎ話】
すべてのトルマリンに共通しているのは、エネルギーが滞りなく流れるように促し、サトルボディ(オーラ)全体のバランスを取り戻させてくれるところです。
それは、結晶に見られる条線のストレートなラインが象徴しています。
■ブラックトルマリン
ブラックトルマリンは、強力なグラウンディング能力と否定的なエネルギーを払いのけるバイブレーションを持っています。
何であれ、害を及ぼす力から守ってくれる強力なガーディアン(守護者)、地球の中心に私たちを固定してくれる偉大なくさびのような存在です。
太い柱状、あるいは俵形とも言える形に結晶した原石をしばらくの間、握りしめているだけで怒りや悲しみなどの激しい感情を中和して気持ちを落ち着かせ、眠りに落ちてしまうほどの安らぎと安定をもたらします。
ブラックトルマリンは、どんな時でも母なる大地から余すことなく源泉となる力を受け取ることができるように助けてくれるはずです。
主なキーワード:グラウンディング、保護、安定、否定性の中和
■インディゴライト(ブルートルマリン)
インディゴブルーに染まったトルマリンは、騒がしい場所から切り離された自分だけの神聖な領域へと連れて行ってくれます。
そこで得られた安らぎが外の世界で「いまを生きる」ことを教えてくれます。
そして、外界とつながるために、あるいは異なる次元とつながるために、それらの間にあるブロックを取り除いてコミュニケーションの流れを速めることを助けます。
叡智の水を無限にたたえた泉のように深みのある青いディーヴァの声に耳を傾ければ、「高いところにある理想ばかりを見上げるのではなく、たまには立ち止まって自分のことを見つめてみては?」とのささやきが聞こえてくるはずです。
主なキーワード:コミュニケーション、安息、エナジーフロー、神聖な領域
■ピンクトルマリン
ピンクトルマリンは、ハートに働きかける愛の波動そのものです。
嫉妬や攻撃性、猜疑心といった否定的なエネルギーを中和して、穏やかさをもたらすピンク色の資質がダイレクトに反映されています。
淡いピンク色のトルマリンは女性性と穏やかさ、赤に近いピンク色は創造性と活性化の側面が特に際立ったエネルギーです。
主なキーワード:愛、中和、女性性と穏やかさ、創造性と活性化
■グリーントルマリン
グリーントルマリンは自分への信頼と帰属意識を高め、自らが何者であるか、また何をすべきかという心の探求をサポートしてくれます。
また、すべてのトルマリンに共通したエネルギーの流れを促す性質は、特身体の各部位を本来の位置に戻して体幹を整えるように、ぶれない中心を作ってくれます。
真っ直ぐに伸びていく力は、成長と発展を表すグリーンの色のエネルギーそのものです。
主なキーワード:自信、帰属意識、伸展、エネルギーの流れ
■ウォーターメロントルマリン
攻撃性や恐れ、不安のように否定的なエネルギーを中和して全体性を育むピンク、発展と調和を最大の特徴とするグリーンの色は、どちらもハートに属しています。
愛を象徴するピンク色の結晶を中心で保護するように、植物や自然に代表されるグリーンの色合いに染まった結晶が外側から包み込んでいる姿は、ウォーターメロンの本質を表しています。
ピンクの愛をグリーンのエネルギーが真っ直ぐに伸ばし、大切に育み続けます。また一方では、ともすれば周囲との摩擦もいとわないほど一途に拡大していこうとするグリーンのエネルギーを、やわらかくやさしいピンクのバイブレーションが抑制しています。
お互いに補整し合って秩序を保っているその姿には、人間界から天上界、あるいは未知の次元に至るまで、あらゆる世界のことわりが映し出されているように思えます。
主なキーワード:愛、ハート、成長、調和、促進、補整
■パライバトルマリン
パライバトルマリンと言えば、パライバブルーとピンクの二色に染まったタイプが有名です。
目に見えないほど小さな無数の電子がちりばめられたように明るいブルーの鮮やかな色合いは、見ているだけで意識を別次元へと解き放ってくれます。
また、それは創造性の解放にもつながります。
一方、物質世界を象徴する赤と白が混ざり合ったピンクの色は精神性を表すブルーとは対照的です。
このピンクからブルーへとつながるプロセスは、地上界から天上界に至る架け橋と言えます。
そして、このピンクとともに、グリーンをわずかに含んだブルーの色はコミュニケーションとハートに関連しています。
従って、ハートから感情を通して周囲とのつながりを見直すために役立ってくれるはずです。
主なキーワード:創造性の解放、ハートのコミュニケーション、バランスの回復
トルマリンクォーツ(Tormarin Quartz):トルマリン入り水晶
【鉱物Data】
成分:SiO2:クォーツ/Na(Mg,Fe,Li,Mn,Al)3Al6(BO3)Si6.O18(OH,F)4:トルマリン
硬度:7.0
色:無色透明(クォーツ)/ほぼ全色(トルマリン)
特徴:
多彩な色合いを持つトルマリンですから、クォーツの中に包有されている結晶もさまざまですが、トルマリンクォーツと言うとブラックトルマリンやグリーントルマリンが含まれたものが一般的と言えます。
ブルートルマリン(インディゴライト)を包有した結晶はブルークォーツと名付けられていたり、トルマリンクォーツ以外の名前で呼ばれることもしばしばです。
【パワーストーンのおとぎ話】
エネルギーレベルで有害な影響を払いのけてくれる保護の力と強いグラウンディング能力を持ち合わせたブラックトルマリンと、その力を高めてくれるクォーツの特性は非常に相性が良く、ヒーリングには最適と言えます。
しかも、トルマリン自身もまたエネルギーを動かし、活性化させる性質を持っていますから、クォーツとはお互いに相乗効果をもたらし、パワフルなバイブレーションを生み出すことになります。
トルマリンクォーツのタンブルなどは安価で使いやすいので、クリスタルヒーリングにはおすすめのアイテムです。
主なキーワード:保護とグラウンディング、活性化、流れ
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